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開発日誌 / 2016年01月04日
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新製品その1・ショートロッドコンセプト

ロッドが長くなっていったワケ。

かつては5’6”、6’0”、6’6”と刻まれていくのが当たり前だったバスロッドのラインナップ。最近ではベイトで6’6”~7’0”、スピニングでは6’3”から上というラインナップが主流を占めています。理由としては、琵琶湖のようなビッグフィッシュレイクでのパワーゲームが脚光を浴びたことや、本数をたくさん持てないオカッパリが主流となって汎用性を求められたことなど、釣り方やスタイルに起因する部分と、ロッド生産の技術向上、マテリアルの進化に伴い、軽く、強いロッドを生産することが可能になったという側面があるでしょう。この点に関して言うと、はっきり言えば開発側(メーカー側)のエゴみたいなものもあったかもしれません。開発する側にとっては「こんなに長いのにこんなに軽い!」とか「こんなに軽いのにこんなに強い」みたいなことを言いたくなるものなんです(自戒も込めて)。大は小を兼ねる、あるいはオカッパリメインだから汎用性重視、はたまた全国のどこでもそこそこ使いやすい長さのロッドを、というコンセプトからロッド開発はスタートすることが多く、それ故になんとなく現在のロッドのラインナップに落ち着いている、ということもあるのかな、と。

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琵琶湖であれば、使うルアーやリグ、ウィードの存在、そしてビッグフィッシュとロングロッドの出番が多くなる。しかしそれが全国各地で共通するとは限らない。

 

短いロッドは過去のものなのか。

では、以前のような短いロッドは不要になったのでしょうか。

私の答えは断固No !です。ロングロッドにもショートロッドにもそれぞれメリットとデメリットが存在します。「長いけど軽い、だから短いロッドは不要」というのはあまりに短絡的で、安易な発想であると言わざるを得ません。

ルアーを適材適所で選ぶように、ロッドにもフィールドや釣り方に合わせた選択肢があってしかるべきで、スピニングもベイトもロングロッド化が顕著な現況は、ちょっとフラストレーションが溜まる状態だったのです。

 

繊細に高精度に釣るなら、ロッドは短くなる。

米粒をつまむのに、ピンセット、お箸、菜箸のどれがベストな選択でしょうか。いずれも米粒をつかむことは可能ですが、ピンセットがベストな選択であることに異論はないでしょう。ロッドについても同じことが言えると思います。実際に完成したショートレングスのスピニングを使用すると、指先にラインが直結しているかのようなクリアな使用感に驚くはずです。

ネコリグを小刻みにシェイクするとき、ロングロッドとショートロッドのどちらが細かく操作できるでしょう?飛距離や感度といった要素は、ロッドだけではなくラインの太さや使うルアーのウェイトなどにも左右されますが、物理的に短いという事実はそのまま優れた操作性に直結するのです。

人間はいつもと同じ動作をしてしまいがちです。いつもの半分の速度で歩け、と言われてもなかなか難しいように、いつもより細かくシェイクしたい、ゆっくりズル引きたい、となるとなかなか対応できないもの。ロッドの長さが変わることで、それが可能になるのです。リールのギア比選択に近いと言ってもいいかもしれません。

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繊細なライトリグを駆使する桧原湖の試合では、ダウンショットリグでWSS-ST59UL、ネコリグでWSS59UL+が大活躍。最終戦では準優勝に導いてくれた。

 

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亀山ダム、三瀬谷ダムなどのリザーバーでもショートレングスは使い勝手が良い。とにかく操作性の高さ、これは際立つ。

デメリットもある。要は使い分け。

もちろん、なんでもかんでも短いロッドが最高だ!と言うつもりはありません。短いということは、物理的にロッドのストロークは短くなります。よってフッキングやロングキャスト性能、ラインメンディングなどは、ロングロッドにアドバンテージがあります。フィールド、釣り方、リグ、魚のサイズなど多岐にわたる要素を検証していくと、ロングロッドの方が優れている場合も当然あります。前述したように、ロッドの長さは適材適所です。

ショートロッドの開発に踏み切った背景には、近年優れたハイギア比のリールがスピニング、ベイトともに登場した点もあります。フッキングストロークに関しては、素早く巻き合わせを行うことでデメリットを払拭することが可能となってきました。飛距離についてもリール性能の飛躍的進化で必要十分な能力を確保できるようになっています。

ショートロッドにもロングロッドにもメリットとデメリットが存在します。それらを理解して適材適所で使い分けることで、ストレスを感じることなく、高精度、高次元、そしてなによりもバスフィッシングの楽しさがより深く体感できるようになると思います。

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このようなオーバーハングの下を精度よく、トラブル少なく撃っていくときにも、ショートロッドの強みは発揮される。特にレンタルボートのなどではエレキのヘッドが邪魔になったりして思うようにロッドが振りにくい。短いことが武器になる場面だ。

次回はショートロッドコンセプトの各機種を紹介します。

 

 

Posted by
鬼形 毅

15年余にわたり、バスロッドの開発に従事してきた経験を活かし、開発者としてはライバル関係にあった飯高博文とともにLEGIT DESIGNを設立。バスフィッシングは12歳の時に始め、以降はライフワークと呼べる存在。トーナメントは1998年に参加し始めで現在に至る。出るのも見るのも楽しい。