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その他 / 2018年04月19日
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子供とともにバス釣りを楽しむ方法…2「道具編」

子供には子供用の道具が必要だ

前回は心得編を書きましたが、今回は道具についてのお話です。

小学生以下の子供にバス釣りを教える、楽しんでもらうためには道具選択が大人同様、いや大人以上に重要なのです。

残念なことにバス釣りに限らず、釣りはレジャー・スポーツ用品の中で子供用の道具がほとんど用意されていません。野球もサッカーもスキーもテニスも、年齢や体格に合わせた道具が用意されています。運動以外でも、例えばバイオリンやギターなどの楽器でも体の成長に合わせてサイズを選びます。

それはなぜかと言えば体の成長に合わせた道具を選択することこそが、そのレジャー、スポーツ、芸術に親しんでいくための近道だからです。

親の覚悟も必要だ

野球のグローブやバット、バイオリンやギターなど子供用にしっかりと作られたものは、確実に子供の興味を深め、力を引き出してくれ、大切にしようという気持ちを育ててくれます。でもしっかりしたものはちょっとお高いんですよね。野球のバット「ビヨンドマックス」とかグローブ「グローバルエリート」とか(検索してみてくださいね)、なかなか良いお値段します(苦笑)。鈴木バイオリンとか子供用でもまぁ、なかなかです。でも、実際に手にとって見てみると親が見ても欲しくなる(笑)くらいイイ感じなんですよ。で、実際に子供が手にすると、明らかにテンション上がってるわけです。

釣具でも同じです。「子供用だから」と妥協したものよりはきっちり作られたものを、そして性能的にもサイズ的にも子供に合ったものを選びましょう。それらは少しお値段が張るかもしれませんけど、子供たちは直感的に気付いてくれます。

 

 

スピンキャスト(クローズドフェイス)リールを選ぶ

構造上、初心者としては最も使いやすいタイプだと思います。ウチの子供たちも3歳ごろ、釣りを始めた最初期にはこのタイプを使いました。投げられればそれでOK、という感じですね。

残念なことに子供の手に合う大きさでハイスペックなスピンキャストリールが無いんですよね。それに後々出番が減るのは確実なので個人的には無くても良かったかな、と思っています。

 

スピニングリールを選ぶ

子供が使うには大人と同じサイズのスピニングリールは大きすぎます。具体的にはシマノさんの2500番では大きすぎます。出来るだけ軽量で、それでもスプール径が大き目で、ハイギア過ぎないことが良いと思います。

軽さについては当然、非力な子供には少しでも軽い方が良いでしょう。

スプール径の大きさは、糸ヨレを極力減らしたいですし、大人よりも太目のラインを使うことが増えるからです。

ギア比についてはあまり気にしなくても良いですが、ゆっくり巻くということは子供にとって実はかなり難しいので、ノーマルギアが良いかと思います。となるとC2500番?2000番?そのあたりが選択肢となりますね。

 

ここで注意しておきたいのは、初心者ですから、まずはスピニングリールから入るのは当然の流れです。しかし、実はスピニングリールを使いこなすのは子供にとって難しいことだということを覚えておくべきです。一連のキャストの動作(ラインを指にかけ→ベールを返す→投げる→ベールを戻す)が結構難しいし、スプールに指を添えて飛距離やラインスラックをコントロールする動作も、指の長さが短い子供には難しい(というか出来ない)。結果としてラインは風にあおられまくるし、テンションがダルダルのまま巻き始める(スプールに糸がきれいに巻かれない)し、あっという間に糸ヨレしまくってバックラッシュ(ラインが大量に放出して絡む)します。

ラインはフロロカーボンの3~5lbを選びますが、5lbの場合は小型のスピニングでは扱いにくくなるので注意が必要です。

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C2500番のスピニングリールとCHILD SIDEの組み合わせでファイト中の次男(当時小1)。体が小さい方なのでファイトは全身を使うことになる。想像以上に子供の手には余るのです。

 

ベイトリールを選ぶ

ベイトリールの場合、僕が子供たちに練習させてきた経験上、明確に基準が出来上がっています。マグネットブレーキタイプ、小型で軽量なこと、軽いものを投げやすいこと、の3条件です。

マグネットブレーキタイプを選ぶ理由は、ブレーキが安定して効くからです。

子供のキャスティングは非力なため、スプールが高速回転する遠心力を利用してブレーキ力を発生させる遠心ブレーキが効果を発揮しにくいのです。マグネットブレーキは常に一定のブレーキ力を発生させるので、子供の安定しないキャスティングには向いているのです。ブレーキ設定は最初はMAX、慣れとともに徐々に緩めていくと良いでしょう。

小型で軽量なのは、手が小さく、非力な子供には当然求められる性能です。ロープロファイル(背が低く)で自重の軽いタイプを選びましょう。子供にとってはそれでも大きいですが、極力小さめ、ということが重要です。

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4年前(当時小1)の長男の様子。気が付くとリールは横向いてるし、完全に手に余っています。ロッドも大人用なのでリアグリップが長過ぎ。

軽いものを投げやすいタイプ、というのは実釣という点で重要なポイントです。なぜかというと子供に釣らせようと思うと、「子供でも釣れる」釣り方を選ばなくてはいけないからです。力が弱い子供は引き抵抗の大きなルアーを長い時間巻くことは出来ません。ボリュームのある重たいルアーを投げ続けることも難しいです。フッキングパワーの求められるリグやルアーもなかなか厳しいものがあります。必然的に小さめ、軽めのルアー、リグを多用することになります。シャッドやタイニークランク、小型バイブレーション、1/4oz程度のスピナベ、ライトテキサス(ワームも小さめ、フックも細め)、ライトカバージグあたりが経験上出番が多いですね。

つまり、これらを快適にバックラッシュのリスクを抑えつつ、軽い力でも投げられるリールを選択すべし、ということになります。

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リールをパーミングしてる左手に注目。標準的体格(当時小4)ですが、まだ手に余っています。意外とリールは子供にとって大きいのです。

僕の場合はPX68(K.T.F.)やアルファスフィネス(K.T.F.)を最初に使わせました。補足ですが、クラッチが親指で軽い力で切れることも大切です。

バックラッシュは必ず頻繁に起こります。慣れてきたら直し方をしっかり教えることも大事なことです。

とにかくトラブルを減らすための性能と努力を

子供用のリールとなると、まぁそれなりの性能で・・・と選びがちですが、スピニングもベイトもある程度のグレードのものを選んだ方が、間違いなく使いやすいです。子供にリールを付けたロッドを握らせてみて下さい。想像以上に手が小さく、指が短く、しっかり握り込めてないのがわかります。パーミングできない、スプールに指が届かない、手首が固定できない、など当たりまえです。軽さや精度の高さ、投げやすさ(特にベイト)はある程度価格に比例する部分があります。

そしてライントラブルは常に起こりうるとの前提で、大惨事になる前にチェックを怠らないという努力が欠かせません。特にスピニングリールでは引き抵抗の少ないライトリグや小型シャッドをトロトロ巻いていると、ラインテンションが低いのでリールに弛んだままラインが巻かれてしまいます。すると次のキャストでドバッと暴発・・・。そうなることを予防するのは親の注意力です。

 

ロッドが果たす役割は小さくない

キャスティングとリトリーブの動作においてネックとなるのがロッドの長さでした。大人が当たり前に使うバスロッドは子供が使うには長すぎるのです。

 

10歳男子平均身長:およそ140㎝

成人男子平均身長:およそ170㎝

 

平均身長で差が30cmあり、さらに手の大きさ、握力、筋力全てに大きな差がある子供が使う道具として、大人のロッドを流用することは無理がある、と言って良いでしょう。特にグリップ(リールより下のリアグリップ)の長さについては大人用では絶対的に長すぎると言えます。バス釣りはキャスト~リトリーブ~フッキング~ファイト~ランディングという一連の流れでロッドを立てたり寝かしたり、左右にティップの向きを変えたりということが非常に多い釣りです。その際に、手の短い子供にとってリアグリップが長いと取り回しに難儀するわけです。

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CHILDSIDEのリアグリップは子供用にかなり短くしてある。そのことで巻く姿勢の安定もつながり、キャストのしやすさにも繋がる。

ロッドのアクションについて言うと、最優先すべきは「投げやすさ」だと思います。子供がバス釣りに親しんでいく過程で、ルアーを思い通りに投げられる、ということはとっても重要です。思い通りに投げられれば、釣れない時間が長くても楽しめるものです。そのためにはルアーのウェイトが乗せやすい、ややパラボリックに曲がる軟らか目のアクションが適しています。

「そんなに軟らかいとテキサスリグでフッキングしないのでは?」とか「でかいの来たらノされちゃうでしょ」と大人の理屈で考えがちですが、それはひとまず置いておき、子供が気持ちよく投げられる、ということを最優先すべきです。

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慣れてくると、自分でピッチングしてカバーを狙ったりします。ロッドが子供の力+軽めのルアー・リグでもしっかりと曲がってくれることで、投げる楽しみを感じることが出来ます。

 

スピニングはライトリグ全般と小型シャッドなどの巻物に対応するアクション、ベイトは子供が使える範囲のシャロクラやコンパクトスピナベ、ライトテキサスあたりが使いやすければOKです。それ以外の釣りがその日の状況にマッチしていたとしても、子供にはこなせない釣りということになります。

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子供にとってラインの処理が意外と難しいスピニングリール。トラブルも多発しますが手堅く釣らせるにはやはり不可欠。

 

CHILD SIDEは僕が実際に我が子にバス釣りを教える過程で、子供にとって何が難しいのか、何がストレスなのか、ロッドがサポートできることは何なのかを子供を観察しながら、プロトを何回も作って使わせて作り上げたものです。

「子供用ってこんな感じでしょ」と大人が勝手に想像して作ったものではありません。

コスメティックにしても「子供用ならカラフルに」ってわけではないだろうと。今やファッションだってスポーツ用品だって大人と同じデザイン、同じ品質が当たり前ですからね、そこは一切手抜きなく作り上げたつもりです。

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カッコイイ、使いやすい、大人っぽい、子供心にイケてる道具は理解できます。大事にしてくれるし、結果として釣れる!ハズ。

 

子供とのバス釣りを楽しむには、様々なハードルがあります。ある程度の投資も必要です。でも子供がバス釣りを好きになってくれて、一緒に楽しむことが出来るという経験はまさにプライスレス、素晴らしい時間を子供と共有できることを保証します。釣りはゲームやテレビの中で見るものとは違う、完全リアルな体験です。素敵な思い出を作るために拙文が役に立てば幸いです!

 

 

Posted by
鬼形 毅

15年余にわたり、バスロッドの開発に従事してきた経験を活かし、開発者としてはライバル関係にあった飯高博文とともにLEGIT DESIGNを設立。バスフィッシングは12歳の時に始め、以降はライフワークと呼べる存在。トーナメントは1998年に参加し始めで現在に至る。出るのも見るのも楽しい。