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開発日誌 / 2016年12月31日
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  • 鬼形 毅

2016年を振り返って

2016年の年末によせて

まもなく2016年が終わります。

多くの方にワイルドサイドをご愛用いただいたこと、心より御礼申し上げます。

来る2017年が皆様にとって良き年であるようにお祈りいたします。

 

レジットデザインにとって2016年は実り多き一年でした。ビジネスとしてももちろんですが、ワイルドサイドという我々の製品を通じて心揺さぶられるような出来事、感情を抑えきれないような瞬間がたくさんありました。

 

北大祐の活躍

なんと言っても、2016年からレジットデザインプロスタッフとなった北大祐の活躍は、私にとってワクワク、ドキドキ、そして大きな喜びを与えてくれました。

JBトップ50シリーズでは開幕戦(早明浦ダム)を4位とスタートダッシュに成功すると、第2戦(野村ダム)では見事優勝。ちなみに4年連続4勝目という快挙でした。第3戦(七色ダム)を5位と前半3試合を全て表彰台で快走します。第4戦(桧原湖)では惜しくも表彰台を逃しはしたものの6位。最終戦を残して2位に15Pの差をつけていました。

そして迎えた最終戦は苦戦しつつも14位でしのぎ、見事自身2度目となる年間優勝を果たしました。

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JBトップ50年間優勝!ワークスチーム勢をプライベートチームが打ち負かしたかのような、達成感がありました

 

その翌週には30回記念大会となるバサーオールスタークラシックに出場し、クランクベイトとスピナーベイトを駆使したストロングゲームで2位に2キロという大差で圧勝。彼自身の感極まった表情に、私も歓喜の涙を流しました。

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北大祐にとっても念願のタイトル。会場にいたギャラリーの皆さんだけでなく、LIVE中継の先にまでインパクトを与えた勝利だった。私にとっても、とにかく嬉しかった。

 

 

北大祐はJB主要タイトルとオールスターを制覇して、スーパ―グランドスラムを達成したトッププロですが、2016年にレジットデザインと契約を結ぶことは大きなリスクを背負っていました。使い慣れたタックルからの入れ替えももちろんですが、なによりもレジットデザインという小さな小さな会社との契約は金銭面、サポート体制ともに充分ではなく、トーナメントを戦い抜くうえで不安を抱えながらのトレイルはそれだけでリスクだったと思います。

しかし、彼は契約時に交わした我々との約束を果たしてくれました。それは

「ワイルドサイドをチャンピオンロッドにする」

というもの。その言葉をオールスターのインタビューで聞いた時、私も短い期間ではあるものの決して平坦ではなかった起業からの道のりを思い出し、こみ上げてくるものを我慢できませんでした。

北大祐もレジットデザインも選んだ道はまさにWILDSIDE。Take a walk on the Wildsideの理念が結実した瞬間でした。

 

北大祐と言えば、今シーズン初めて関東で人気のハードルアー限定大会、H-1GPXに参加しました(3試合のみ)。参加するアングラーのレベルの高さや初めて訪れるフィールドの雰囲気を大いに楽しんだようです。そして何より嬉しかったのはH-1アングラーの方が北大祐を今シーズン応援してくれたこと。トップ50年間優勝、オールスター制覇を会場で、あるいはSNS上で祝福していただだいたことは、北自身にとっても我々にとってもとても嬉しかったですし、その後、ワイルドサイドをご愛用いただけたり、イベント等で楽しくお話しできたりと繋がりを持てたことも我々にとって大きな財産となりました。

 

挑戦的な製品づくり

製品としては現代の主流であるロングロッドとは対極にある、ショートレングスコンセプトを発表しました。自身の中ではとにかく自分がスモールマウスを釣るとき、あるいはリザーバーを釣るときに感じていたストレスを無くすためのコンセプトでした。

そしてその延長上にあると言ってもいい、フロッグロッドとしては短い6’5″のWSC65MH”Frog SP”とビッグベイトロッドとして異例の短さであるWSC65XXH”Big Bait Special”を完成させ、どちらも非常に多くの方にお買い上げいただいたことは、とても印象深い出来事でした。ロッドの長さを変えるだけで(それは長い方にも短い方にも)、釣りが変わる、快適になる、楽しくなるというコンセプトが受け入れられたのかなぁ、と思っています。

実り多き開発過程

開発作業としては、なんといっても起業時から取り組んできたグラスクランキングロッドが完成をみた点が印象深いですね。北大祐がトップ50、オールスターという究極極限状態の中で熟成していった感が強くあります。グラスのクランキングロッド、と一言で言っても、カーボンコンポジット、アラミドもあれば補強方法も様々。どの選択肢で作ったサンプルでもそれなりの完成度には到達していたと思っていますが、いまひとつ決め手に欠けるというか、レジットデザインとして世に問うクランキングロッドとしては納得できていなかったわけです。そこへ北大祐のノウハウが加わることで、方向性が一気に決まったというか、完成への道筋が見えた感じでした。

コンポジットを廃し、補強を廃し、テーパーとガイドのセッティングと煮詰めていくことで仕上げていったグラス100%のクランキングロッドは単なる懐古主義でもなければ、先端技術へのアンチテーゼでもありません。ただ純粋に釣れるクランキングロッドへの追求によってたどり着いた結論なのです。

とにかく、Top of TOPのレベルで磨き上げられたという事実は重いと思います。試合で使うだけではなく、しっかり釣って勝利に繋げたわけですから。長くロッド開発に携わってきましたが、開発過程と試合への勝利が直結していく例は数えるほどしかありません。2017年春に発売になるワイルドサイドのピュアグラスクランキングロッドはその開発過程のドラマチックな展開とともに、私の記憶に長くとどまることでしょう。

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2016年モデルのWSC65MHをスピナーベイトにも優れた使用感。2017年モデルのグラスクランキングロッドとともに北大祐の快進撃を支えた。

 

2017年も”Take a walk on the Wildside”

来る2017年がどのような1年になるのか、期待と不安が入り混じった心境であることは、起業した当初と大きく変わりません。レジットデザインはまだまだ小さな会社です。経営的にも人材的にも、安定しているとは言えません。それでも我々の目指すロッド作りが出来ている実感はあります。多くのアングラー、ユーザーの皆さんとのコミュニケーションも楽しんでいます。パートナーである飯高と起業前に「余裕が出来たらあんなこともしたい、こんなこともやってみよう」と話した内容のほとんどは未だ実現できる状態ではありませんが、それでも少しづつ前に進むしかないのです。

”Take a walk on the Wildside”

2017年もこの言葉を胸に頑張っていきます!

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鬼形 毅
鬼形 毅

15年余にわたり、バスロッドの開発に従事してきた経験を活かし、開発者としてはライバル関係にあった飯高博文とともにLEGIT DESIGNを設立。バスフィッシングは12歳の時に始め、以降はライフワークと呼べる存在。トーナメントは1998年に参加し始めで現在に至る。出るのも見るのも楽しい。